愛を伝えるのに言葉はいらない/ルナ
 

漁村の朝は早い
6時にもなると御丁寧に
町の中心に置かれているスピーカーが
朝を知らせるサイレンを叫ぶ

二階の窓から見える風景は
殺風景な野原の向こうに
海が見える
野原と海が半々といったところか

サイレンの前に目は覚めてはいるが
それまでは布団の中で
まったりしている
この一時が好きだ
そして
サイレンと共にカーテンを開け
海を眺める

ほっとする
今日も朝が来たんだ

嵐の夜に外を見ると
灯りなど星の一つもないはずなのに
うねる水面に
白い大群が
次々にやって来るのが見える
それは怖い
とても怖いんだ
私から何もかも
奪っていき
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