君との別れ/朧月
肌触りのいい言葉が欲しいって
君は背中を向けた
蒼い海がすきって
悲しく目をふせた
だって雨が降ったんだよ
そんな言葉飲み込む
ゆるやかな坂をあがって
黄色い花が咲いてる広場で
あたたかな話をしよう
そう思ってただけなのに
喉越しだけを求めて
炭酸飲料を買った
やけにしみる気がするのは
君といるからじゃない
遠くで少年たちの声がする
自転車を乱暴に止める音がする
また この草は踏まれるだろう
それでも また 生えるだろう
僕と君との 足跡は
もう消えるのだろうかこの場所から
それでもすがりたい気持ちには
しがみつきたくはないんだ
明日の約束は忘れるよ
今の裏切りは見ないから
君が泣いてる背中をもう僕がなぜることはない
何度も行き来した石段の数を
とうとう僕は覚えてしまったのに
君は知らないんだ
涙の数しか
僕が退き 君が散り
それでもこの広場は今日もあり続ける
黄色い花は咲くんだ
だれも見ていなくても
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