明日の「ぼくら」へ/都志雄
ぼくらはただ祈り、歩き続ける
無数のコンパスが描く円の
重なる波紋の上を
溶けだし交わる温もりの中を
きみが春のそよ風に包まれるとき
ぼくの眼は淡い光で溢れるだろう
ぼくがきみとの新たな命を抱き上げる日に
またひとつ星が墜ちるのだろう
暁が海に溶けだすころ、
見飽きたはずの海面の煌きに
ぼくは驚愕する
そして隣で眠るきみが目を覚ますのを待ち
見果てぬ水平線めがけ二人で描く
短すぎた昨日の夢の続き
ぼくらの目いっぱい大きな円
コンパスの二本の軸足で、描く
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