硬質なつらなり/こしごえ
 

石の
私を
知っている
この道中を 転がるねむりにつくまで
一瞬の銀河を

青いトンボ玉の影は透けて
石と添い寝をする。こんにちは、
樹木の芽の
吹き出る
空気が澄み
口をすすぐかたい直立
湾曲す
空を見上げる

黒髪の人形の視線は
無影灯の性交を燃やす闇につらぬく
日を反射する蜘蛛の糸
しろいくびすじのかたむきの

ヒグラシがないている遠くの
林で、あるヒグラシは蟻に運ばれ
縁側にて私は紫煙を
くゆらす
日に透ける蟻の


深いためいきとともに煙を吐く
糸もゆれるしろがねだ





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