春告げ鳥/三奈
ひとつふたつ 手鞠唄
縁側に咲く 寒椿
すべてはあの六花の如く
儚く消える運命だと
俯き顔の君が言った
膝の上には銀色の猫
尾を高くあげ、するりと寄り添う
混沌の中にいる君に
その温もりは届くのだろうか
ひとつふたつ 手鞠唄
通りで遊ぶ 子供が歌う
君は小さく咳をして
私は大きく眉をひそめた
六花よ どうか教えておくれ
春告げ鳥は 今何処
混沌の中にいる君の
春告げ鳥は 今何処
すぐそこまで来ているなら
早く来いよ、と手まねきをしてよ
君が声をなくす前に
桜の季節 運んでおくれ
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