あなたが送ったサイン/
瀬崎 虎彦
ささめきことに身を寄せて木曜日
ひらりひらりと翻る葉の裏を
手のひらをぎゅっと握って
眺めておりました
風が出て雲の流れがはやく
欄干にしがみついていなければ
心はメレンゲのように軽く
遠くへ飛ばされてしまいそうでした
二度三度太陽の光を反射して
波間からあなたがサインを送った
そんな気がしていたのです
それは数日の後に詩になって
ああそうか世の詩人の皆さんはゼロから
作品を作るのではないのだと理解しました
戻る
編
削
Point
(1)