喪失/ミツバチ
 
二人の思い出が
ぼやけていく

握った手が
離れた速度で

君からの手紙は
まだ引き出しの中

揺れる日溜まり
あの日の歌を口ずさむ

望んでも戻らない
手紙を読み直すことはない

突き付けられた事実は
僕の隣に漂い

君の歌声は耳から離れない
戻って来てくれないか

誰もいない空に
ポツリと呟いてみる

戻って来てくれないか
風に声がさらわれる
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