さざなみと旋律/
瀬崎 虎彦
海のビタミン吸い込んで
さざなみに抱かれたいの
君が新しいワンピースを着て
ベランダで僕を見てる
ピアノを海に投げ込んで
遠い世界に歌を贈ろう
今年初めての海を
あなたと見られて良かった
音楽は鳴り止まない
スクリーンから面影が消えない
気づかずにいたことにさえ気づかない
大きな雲の柱が立ち
未来は琥珀とアクアマリンの剥製と化して
今 君の足元から風が
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