『ミライの無い信号機』/Leaf
 

 何故だかぐいっと
 重く、
 喰い込んだのは
 背伸びしたぶん増した
 大人という偶像ってやつで


カバンの中のマニュアル本や参考書抱えたまま、
 その場に立ち尽くすだけでは
 感覚の濃淡如何を問わず、
 いずれ味蕾は窶れ
 鈍化していく


その肩から提げたカバンの中身を
 いつもより少しだけ軽くすれば、
 アキレスの許す限りの
 軽快なステップを踏めるし


繰り返し修練された味蕾なら、
 信号機の無い交差点でも
 研ぎ澄ました感覚で
 渡ってゆけるのになぁ

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