『ミライの無い信号機』/Leaf
 
迸る若気で傍若無人に振る舞う交差点
 の、
 空を見た
急ぎ早に駆け出した千切れ雲より
 立ち止まる自分の方が揺れて
 、見えるのかな
きっと安心したいから
 口の中で燻る不安定な舌の収まり
 を、
 確かめようとする
弛んだ味蕾、の不安なサインは
 まるで規則的に変わる信号機の色が急かすみたいに
 、溜め息を吐き出す
平気な顔装って赤信号を渡る背への視線
 と、
 収まりの良い明日の輪郭から
 外れる事を咎めるほどの正義感が
 斥候しながら秋空に溶けていった
信号の色が変わるまでの間、
 斜め掛けにしたカバンの肩紐が
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