僕はカーディガンのボタンを外して/瀬崎 虎彦
あたふたと駆け寄りきつく抱きつく
君の骨の重さ確かめるために強く
そして呼吸する間を惜しんで
キスをしてそれがいつまでも続く
金縛りにあったように体が収斂して
こうしていることが日常だとは思われず
そうか世界でたくさんの私が主人公で
それぞれの私は今この私の思い描きえず
ハーブティーを淹れてみると
抽出の様子をじっくりと観察する
君の背中が可愛いと思って
テーブルに近づくと
肩で息をする君は実は寝てしまっていて
僕はカーディガンのボタンを外してかけてやる
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