お父さんが邪魔してる。/にゃんしー
 
愛してるの響きだけで
強くなれる気がしたのは
気のせいでした。

ちょっとスピッツ聞きすぎてました。
必要以上に。


恋心を音楽に乗せて、なんてふつう。
それよりも、誰もつけないような名前を
子供につけたい。

「山田卑弥呼」

家庭裁判所から書留で封筒が来た。
開けられない。


愛するってなんだろう。

ま○こから出てきたその瞬間から、
泣くのよりも前から考え続けてる。
愛されるのは夢のよう。
愛するのは自由の羽ばたき。

けれど。

子供を生むみたいにふんばって考えても
答えは言いそびれた言葉のように
身体の奥で温度をただただ冷ましてる。
愛してる、その言葉の代わりに響いてる。
2個目の心臓の鼓動。
ちょっと強くなれる気がした。


彼女はどんな答えを見つけるだろう。
それがどんな答えでも、お父さんは邪魔しない。


初出:投稿詩 on PQs・2回戦
http://www.yuracom.com/ps/ps.html

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