半死半生−シュレーディンガーの猫−/Kazu.
 
子力学に支配されていて
  その原子の寄せ集めであるところのぼくは
  非日常の世界の集合体より成り立っている
  としたのならば
  今 ここにいるぼくとは
  一体 何者なのだろう
  日々の暮らしのなかで あれも忘れた これも不確かだ
  遠くなりつつあるぼくの記憶のなかで
  50%の生と50%の死は何を示唆しているのだろう
  そして 最終通告の青酸ガスは
  いつぼくに向けて発射されるのだろう


かくして愛猫家は言う
シュレーディンガーさん 猫はいけませんよ 猫は・・・
あんなかわいい動物で実験したら化けて出ますよ
せめて 犬か猿で
そうだ
ぼくの周りにいるあいつならいい



※最終行の「ぼくの周りにいるあいつ」の「あいつ」を
特定な「固有名」に差し替えて読んでもかまいません
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