漂白の意図/相田 九龍
悲しみを抱いた
それでも永遠に
私自身は白くはなれない
漂白の意図は
私から多くの本当を奪った
誰かが開いた門を
知らず知らず通り過ぎてしまう
それが当たり前なのだ
そう思うように仕組まれた門も
振り返れば驚くほどに遠い
私がここで番をして
一体誰を止められるのだろう
鯨たちは頭上を悠々と越え
刻々と深まる夜に
断絶のみを残して溶けた
そうしていつも
寂しさはあらゆるものを通して強調された
アパートの前の子供たちも
いつの間にかいなくなっていた
私にとって
世界のあらゆるものは牢獄になり得た
でも本当のところ
あの人の孤独を感じない心が
私の孤独のすべてだった
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