老犬/+clapp
 
なんだか最近皮膚がかさかさだ
季節のせいか、なんて思っていたが
そうこうしているうち
頭皮もかさかさになり
剥がれた皮膚が白い粉になって毛の表面にたまり
風が吹くと季節外れの雪の如く舞う
それが一層
僕を悲しくさせる

ああ、彼女の他に誰が僕の乾いた皮膚のことなど気にしてくれるだろう
あの優しい愛撫
とんと、とされて午睡した
それも今では追憶
ああ、彼女の他に一体誰が僕の渇いた心に憩いを与えてくれるだろう


派手な衣装を着け、腕に抱かれた
独歩もせぬ堕犬チワワの勝ち誇った顔
悲しいかな、同じ犬でも生まれによってこうも違うのだ

門扉に繋がれた、
皮膚病持
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