詩想 ?6/黒乃 桜
をジッと見る。
「なんで?」
由夜の質問に流音は、なんでっていうか・・、と零す。
そしてふっと目を逸らして俯きがちになる。
「なんか・・邪魔だったから・・」
流音の答えに、由夜はまた深い深い溜息を零した。
ピアニッシモの煙が漂い出す。
缶コーヒーの湯気も同じように。
由夜はそれを空を背景に眺め、流音は道路を背景に眺めた。
「俺はゴミ捨て場じゃねぇっつの」
流音は小さく苦笑を零して、うん、と言った。
うん、ごめんね、と。
由夜はまた溜息を零しながらも、重たい紙袋を引き摺って家に帰るしかなかったようだった。
「その内絶対返すからな」
やれやれといったように言うと、流音はこちらを見てまた苦笑した。
その苦笑は、少なからずとも笑み、だったけれどもどこか泣き出しそうだな、と由夜は思った。
「うん。」
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