机/小川 葉
 

生きている頃
机があった

その上に
人が寝そべるための
ものではなかった

机の上には
鉛筆とノートがあった
どうでもいいことばかり
書いていたけれど
今は本当に
どうでもよくなってしまった

ふと風になって
机の上に寝そべると
それは寝台として
悪いものではなかった

生きてるうちに
試しておけばよかった

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