つなぎ止めるために書いている/瀬崎 虎彦
 
旅先でたびたび
行方不明になる僕のこころ
旅先でたびたび
あて先不明になる僕のこころ

一度は「二度と」と考えて
その場所を去りました
三度四度と回数を重ねては
きっともう離れられない

悲しいことを言うために
詩を書くのではなく
美しいと言うために
詩を書くのでもなく

消えそうになるこころを
つなぎ止めるために書いている
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