うちあけばなし/朧月
 
おかあさん
わたし あなたがうっとうしかった

あの日

窓の内側からわたしをみたあなたは
ころしてしまいたいぐらいこわかったです

おかあさんのおかあさんは天使にみえた

あなたの笑った顔が浮かばない
転びそうになったときでも

おかあさんのおかあさんはやさしかった

おかあさんってなんですか
おかあさんってどんな匂い?

やけつくような胸の苦しさがこみあげてくる
わたしおかあさんから生まれたんだよね
だからって愛されなくてもいいんだ

あなたなりの愛は
私には 愛にみえず苦しかったの

あのね
おかあさんのおかあさんから うまれたかった

ななめになった床で二人でねむるとき
うちあけた私の背中を無言でさすった
それは おばあちゃんとよぶひとの手の平

わたし 母は目指さない
どんな母も


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