薄暮の部屋から/kauzak
 
軽やかな部屋
羽ばたくように
真鍮の鈍い光の反射

中空にあるのは
現世から浮かびあがろうと
何ものにも縛られたくないと
軽やかな意識で瞑想したいと
でも思っているのか

未熟なままで

明かり取りの窓
から
漏れる柔らかな光
から
はみ出して

入口もない一畳の部屋

日常からの逸脱/逃走/追放
そのいずれでもあり
そのいずれをも拒絶して

いつの間にかそこに居る
ことに気づくのだ

過去と現在と未来が同時にある
薄暮の中で書かれた言葉
こそが詩なのか

何処にも属さない
何時でもないからこそ
鋼鉄の骨組でも紙の家のように軽やかに

中空に浮かび上がる

真鍮が反射する光が
あたたかい
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