せめて/あぐり
にしなくていいよ
おねがい
壊してしまえばいいよ。
あなたの
せいいっぱいの涙に
ごめんねも
ありがとうも
すきだよも
あいしてるも
なにもかもが軽くなって
なんのための
わたしの言葉か見分けがつかなくなって
ざあざあと
染まる赤い葉の揺れる音だけ
目を瞑ってなぞっていた
かなわない夜の底に
沈んでいたら
あなたが背中をさすってくれて
それはもう愛に近くて
どうしてわたしがわるいのに
どうしてわたしがないてしまうのかな
たぶんきっと
それでも好きだと囁いてくれるあなたの
からだをどうか冷やさぬように
あなたにとってわたしは
ただしいただしい
恋人でいたい
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