PIGSTY?/暗闇れもん
い。待っていたのよ」
「え…」
金森さん無事だったんだ。でも待っていたって?
「あら、直子ちゃんも」
「もう、綾香びっくりさせないでよね、金森さんにご両親のこと聞くならそういってよ」
後ろに息を切らせた直子が腕を組んで立っていた。
私の思い過ごしだったんだ。
金森さんが無事でよかった。
その後、混乱した頭で直子と金森さんの会話をまとめると、どうやらお父さんとお母さんは遠い親戚の法事に行ったことになっているらしい。
「綾香が頭を冷やして戻ってきたらよろしくお願いします」と金森さん家に電話があったみたいで、金森さんは私を待っていたらしい。
綾香は我に返って、首をふった。
「いえいえ、大丈夫です。私一人で何とかしますから!!」
金森さんを巻き込めない。
「でも、女の子一人で家に置いておけないわ」
優しい金森さんも一歩もひかない。
「なら、綾香を私の家に泊まらせますよ!」
気付くと直子が満面の笑みで私の腕を掴んで金森さんに叫んでいた。
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