閉じる日/テシノ
手紙には宛名を書かず
飲み込んで
飲み込んで
喉の奥でうずめかす
吐き出さず
吐き出さず
私の口に雨が降る
終いの時と知りながら
それでも春になればと信じず
祈る事は諦めであると
人生は幼いまま続くものと
世界は美しいまま運びゆけると
信じぬ事で終いは遠ざかると
私は信じた
私は信じた
私が信じたものをお前は
希望と見たか
欺瞞と見たか
どうか答えてくれないか
一言だけで構わないから
何色のペンを使っても
綴る言葉は全て青
お前の声を忘れるたびに
口の中で降る雨がやまない
それでも
春になれば
と
今でも
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