月夜/瀬崎 虎彦
 
いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く

光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ

温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけど

       世界を甘く見て
       人を傷つけたり
       しないから好き
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