一期一会/こしごえ
その時、電波時計は、冷えた
脳髄の裡に在るとらえられな
い静かな膨張を指していた。
十六時の零七分
特に意味は無いその時でさえ、私は
、空を見つめ映った、やりきれない
微笑を浮かべるクセがある。
九重座はみち構築されつつ
ある崩壊の序曲を地底で聞く
むこうににじむ。
すべからく降るべき星影が降らない
内部に持つ
(存在についての終わり無き自問)
帰らぬ曇天を やさしく見守る青い空
焦点を飛ぶ羽
なつかしくはばたくどこか
遠く
世界を共有してくれるか
幻想のプールを泳ぎ
永い夢へ
とりのこされた覚めることのない影
ささやく
夕べは一度きり
拝礼をする
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