せまい心/オイタル
せまい心の
それでも空いたわずかのすきまに
時計の音がいらだちを埋めていく
あわないパズルのピースのように
(ときおりあるのだ 幻のように
水面をすべるはずの風の束が
少し手前で
戻りようのない滝壺へと落下した
予定にない酷いステップのために)
夜の窓ガラスの下に群がり
湿った土の上に次々に積もっていく
ごめんなさいね あなた
ごめんなさい
葡萄の房から
円く光を載せた実の一つをもぎ取って
それから少し考えて
種も一息に飲み込んだ
がぎぐげご
この小さな種の光の粒が
ひしゃげた私の心の
底を割ってくれないかしら
底を割って
地面の層を何層も何
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