詩想 ?5/黒乃 桜
持って見せた。
「何も?っていうか、飾っとく」
流音は何か珍しいモノを見るようにいろんな角度から空き箱を見つめていた。
そんなもの、ゴミ箱に入っているだろうに。
そういうのを集めるのが趣味なのか・・?とか色々考える。
「何だそれ・・」
はあ、と溜息を零しつつも呟いた。
「だってお兄さんからもらったから」
それが欲しいの、ってまた笑う。
それが何だって言うんだ。可愛い女の子でもあるまいし。
嬉しくもない、煩わしくもない、だけれど何か変なところに引っかかる。
そんな感じだ。
由夜はいつの間に来ていたのか、自分でも分からないが
煙草の自販機の前で小さく苦笑を零し、お金を自販機に押し込んで迷わずピアニッシモを押したのだった。
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