この心臓では/
瀬崎 虎彦
華やかに君は笑っていて
フリルをひらひらさせて
僕の心にスタッカートを打ち込んで
ターンテーブルの上で踊り続けて
あでやかに君は笑っていて
レモンの香りをふり撒いて
夕闇にピッチカート響かせて
心の真空にキャンディを敷き詰めて
幻の塔から白夜の森へ
手をつないで飛び降りた
絶対零度の風
耳たぶに君の温度
悲しみにウィスキーの湿度
もうこの心臓ではたえきれない!!
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