マイ・バック・ページズーさよなら神様ー/……とある蛙
は思わなかった。
毎日ギターを弾きながら
知りもしない人生を、社会を唄っていた。
適当に不良と付き合い ぐずぐずしていた。
ちゃっかり浪人もせずに
大学生になった僕は
ありとあらゆる本を読んだ
結局公務員にもなれたのに
ぶらぶら勉強していて
そのあげくに今の仕事だ
独立してしばらくして
元号が変わった寒い日
あなたの死を知った。
僕はその時何かが壊れてしまった。
さよなら神様
僕は一杯のウイスキーをあなたに捧げ
したたか一人で酔い潰れながら
独り言をぶつぶつ呟いた。
そうさ、それはすべてあなたの生きていた時のことばかりだ、
気分だけでとても幸せな時の一人話だ。
あれから二〇年相変わらず僕は
自分を騙しながら同じ仕事を続けている。
だが、少しづつ
自分のやりたいことを思い出しながら、変わってゆくだろう。
これからは。
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