ホーム/ことこ
 
海へと抱かれる
やわらかい夕陽の
いよかん色にもえて

さざめくひかりは一心に
反射し
調和し
舌のうえではじけて
ひとすじの
輪郭をあらわす

(帰ってきてもいいよ、という言葉に
 ふいに胸が
 すくみます)

沈黙の重みがいざなう
ここちよさ
長くたなびく
ひこうき雲は
脳裏をかけぬけて
空を区切り

(明日はきっと、
雨でしょう)

風に身をまかせる
いくつもの明かりが
町を埋め尽くすころ
それぞれの道を辿って
わたしたちは
山を降りる
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