7つの夢物語/三森 攣
日は月曜日。
遠雷の音が響くだろう。
見渡す限りの草原の先。
雷光は静かに語り出す。
恐れは要らず 歩調は変えず。
聞こえぬ声に耳を傾けよう。
丘の雲は続いているか。
水のありかが聞こえているか。
目を開き続ける覚悟はあるか。
蒼穹の瞳に審問を。
今日は火曜日。
もらった切符で列車に乗ろう。
市場で買ったパンはわずかに硬く
一瓶のコニャックが明るく笑うだろう。
向かいに座った少女に一輪の赤色を。
目深に被った帽子を外してみよう。
少女の瞳は輝いているか。
飴色の瞳は車窓の風を映しているか。
洩れ陽の香りに憩いはあるか。
赤銅
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