【三冊のあなた】/つむじまがり
 
雨の夜
音楽を消して 本を閉じ
静かに あなたを思い出す


咳を一つ 溜息も一つ
「さてと。」 それはあなたの口癖
立ち上がる時ふと本棚に目を向ける


そこには 三冊のあなたがいる
あなたに教えて貰った三冊の本が
慎ましやかに並んでいる


これからもずっとそこに
本棚の隅にひっそりと
心の隅にひっそりと
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