目に映る風薫る/智哉
見上げると雲が鰯の尾の形だった
鰯の尾がどんな形だったかと聞かれると
厳密に答えることも
曖昧に思い浮べることもできないが
やっぱり雲は鰯の尾の形だった
何故か一昔前に流行ったかもしれない
白い特攻服を来たお兄さんがたこ焼きを焼いていた
たこ焼きを食べたくなったが
実は中身のたこが好きではないことを思い出し
家に帰ってホットケーキを焼こうと決めた
この近くの宝くじ売場ではよく当たりが出る
そう書かれた貼り紙が少し剥がれていた
明日は雨になるのだろうか
風がやや匂った気がした
君が、振り向いて微笑んだ
何もかも、どうでも良い気になった
今日は秋祭り
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