続・汚濁。/aokage
ない人間が、
こんなに弱く、汚い人間が、
世界で有数の生活水準を有するこの国で、
のうのうと暮らしているなんて。
思想の自由が最も許されているこの国に、
生まれいずる事が出来たなんて。
そんな事、私は赦せない。
こんな自分が、
こんなにも恵まれた生活を享受しているなんて、
認められるはずも無い。
生きようと努力する事も知らない私。
死の恐怖を感じた事すらない私。
生死の境を彷徨う子供達を見て、
「何かをしてやりたい」と思いつつ、「何もしない」私。
嗚呼、なんて汚い。
なんて、醜い生き物。
言葉しか持たないくせに、
その『言葉』に「偽善」や押し付けがましい「正義感」を載せてしまう。
行動と意思が、
心の裏と表が、
一致しない。
なんて愚かで、薄汚い生き物なのだろう。
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