言霊/
乱太郎
いる
死者の乾いた喉を蔑むかのように
松皮菱模様の帯が長く垂れ
空虚な魂をさらに攪乱していく
時の渦に揉まれながら
淫乱な唾液だけが充たされ
貴方の足先さえ掴むことが出来ずに
月下の饗宴
独り虚しさに交尾する
(あなたを求めて
あなたを信じて
あなたを愛して
わたしは今夜も彷徨う)
言霊は
痩せゆく己を尻目に
今夜も美酒に酔う
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