(パレルモ)明るい方へ/キキ
 
こわさない

そんな風には
分かち合えない眠りが
どの窓にも星を呼び込んですべての
踊り子が
象の子どものように安心できるのなら
わたしはひとり一晩中起きていて
風の匂いを嗅ぎ
温度を感じては窓を開けたり
閉めたりしよう
目覚めたら
一番に太陽に当たるはずのシャツの袖に
一時間おきに触れよう

たしかに
これほど確かなものはなく
寝言を聞いて
ちゃんと聞いて
それは違うよって
ちゃんと訂正もする

戻る   Point(13)