夜汽車に揺られて/朧月
 
風の音をきいている
この身を吹かれるに任せて
開け放した窓 揺れるカーテン
夜のにほひ

どこかへゆこうかしらん
遠くの電車に揺られる心地


ひとり がたんごとんごとん
外には海 もしくは なにもない景色
どこでもいい


ひとり がたたんごととん
ぽう と 扉が閉まる音
うつらうつら がたあんごとおん


ひとり ひとり
どうしても ひとりの景色
さあっと 風が吹いた
ああ 夜だった

夜の景色の中にいたんだね

戻る   Point(3)