夜汽車に揺られて/
朧月
風の音をきいている
この身を吹かれるに任せて
開け放した窓 揺れるカーテン
夜のにほひ
どこかへゆこうかしらん
遠くの電車に揺られる心地
ひとり がたんごとんごとん
外には海 もしくは なにもない景色
どこでもいい
ひとり がたたんごととん
ぽう と 扉が閉まる音
うつらうつら がたあんごとおん
ひとり ひとり
どうしても ひとりの景色
さあっと 風が吹いた
ああ 夜だった
夜の景色の中にいたんだね
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