さいくりんぐはい/kauzak
ニュートラルな空気
僕の頬に触れているけれど
そこにあることすら忘れていた
ペダルを踏み込む
ふらつきながら動き出す自転車
そこにあった空気を押しのける
次々と 次々と
頬に触れるのは風?
夜の街を駆ける自転車が作った風
サラサラと涼しくて
アルコールが飽和してゆらゆら揺れる
脳幹をさらに軽やかにする
いつもよりペダルが軽くて
さらにペダルを踏み込んだ
突風!
耳の奥
風を切る音が残っている
火照る顔を冷ますように
風を起こして駆け抜けてゆく
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