背中には向日葵/小川 葉
いつも僕の背中を見ていた
祖母がお日さまを見るように
僕の背中を見ていた
僕が祖母のお日さまだなんて気づく必要もなく
その眩しそうにしてる目に気づくこともなく
あるがままに輝いていた時があった
向日葵みたいな顔をして
お日さまが西の空へ沈むまで
ぼくが眠るまでずっと見ていた
この世界にはもういなくても
視線を背中に感じて
いつだってあなたのお日さまであり続けようとして
生きていけばいくほど
人生は厳しくなっていくとしても
かつて眩しい目で見つめていた
ぼくの背中の向こうには
いつもあなたが咲いていた
向日葵が咲いていた
今も咲いている
戻る 編 削 Point(3)