背中には向日葵(リライト)/木屋 亞万
光に弱い体質だった、身体がというよりも、精神的な部分で
拒絶反応が出て、カーテンを閉め切った部屋に閉じこもる日々が続いた
わかったつもりの大人がやってきて、何もかもを大衆と社会のせいにして
去っていった、この世から太陽がなくなれば僕だって外に出てやるさ
町をさ迷い歩くこともあったのだけれど、それは真夜中に秘かに行われた
大人は誰一人そのことに気付いていない
ベッドの下に蛍光緑のラインが入ったスニーカーを隠し
月明かりに反射する靴の明るさだけで、夜の闇を
進んでいくことができた、月は太陽の光を反射して明るい
靴はその月明かりを反射して明るい、間接の間接で
光を浴びてはいるけれど、
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