すずめのお宿/寅午
 
黄金色のランプをともして
晩秋の
夜の岸辺にたつ、イチョウの木
その美しさに、おもわずためいきがもれる
鳥たちはどんな思いで
この木のホテルに一夜をすごすのだろう?
とおりすがりの
スズメが答える
 
 「ここは庶民派のわたしたちには向かないの。
  とても宿賃が高いのよね。

そう言って、
スズメの姿は、すこしさきの
ヤマモモの茂みに消える。

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