子守唄/テシノ
 
男よあなたは
力強いその腕を彼女に見せるべきではなかった
女よあなたは
唇にのぼる歌を彼に聞かせるべきではなかった

人々の行き交う雑踏で
緑香る木立の中で
小雨に光る橋の上で
あなた達は見つめ合い

そして通り過ぎなければならない
どこまでも交わらぬ二本の線として
芽吹こうとするものは育まれず静かに胎内に篭り

やがて冷えた揺り篭の上で鳥が叫ぶ
如何にできたか私を愛し
愛する私を横たえる
如何にできたか私を愛し
愛する私を横たえる
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