チキンレース/モコ
あなたと私は大の親友だった。
ある日、あなたはこう言った。
「どっちの方が先に耳に穴を開けれるか勝負しよう。」
あいにく私の性格は負けず嫌いだった。
だからその日の夜に画鋲で右の耳を刺して、次の日あなたの前で耳についたばかりの光を髪を上げて見せた。
そしたらあなたはその次の日、
右だけではなく左にまで穴を開けて、おまけにへその穴に穴まで開けて、
「これで文句ないでしょ。」
と私に言った。
あなたは私以上に負けず嫌いだった。
またある日、
あなたと遊んでいるとき私はあなたの隣で万引きしてみせてこう言った。
「あなたも、できる?」
その後、あなたはすぐ隣で私以上に価値のある物をとって
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