世界は下瞼に押しやって/朧月
 
私は目を閉じる
下瞼のほうへ意識を集中させる
まるで世界を下へ押しやりたいみたいに
あえいでも泳ぎきれない波のように
なんやかやが迫って息もできない
やっと
口をひらいたときに出てきたものは
まるで想いとはベツモノになって
そうなんですよね
なんて薄笑いを浮かべている
だれなんてきかなくとも
あれは私だ
殴りかかる腕はすりぬけて
実体のない本体
実体のない想いココロえがお
ない のは
どっちなんだろう
あやふやになりそうな感情に不安になり
ぎゅうと目をつぶれば
もはや
ヒフでさえも反応をしない


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