毎日のように/キムラタツオ
 

毎日は飽きもせず毎日

昼の間に体は
指先からほどけ
長い長い夜の間に
結び直される
それが延々と続く毎日

ほどかれるために
結び直される体

指先のように
昼の光には
言葉もほどけて行ってしまう
体と離れてしまう
固まりから熔け出てしまう言葉
言葉は僕から
ちぐはぐになって
しまう、の
か も、  し
れ。




 □

ある夜
毎日のように
結び直される指先に
織り込まれてしまった蝉の抜け殻
  僕の夜の鳥たちに似ている
その夜に終わった夏

次にほどける朝には
抜け殻も一緒
体のようにほどけていく言葉
言葉
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