「泥色の陽溜まり」/Leaf
 
ちっちゃな猿を見たんだろう

アーミーショップの二階の窓から手を振っている

人混みに紛れてもサラマンダーみたく上空で

点で照準を合わせるスナイパーに同情してみたくなる

あの場所にもう一度行ってみたい

それがどんな事かと無性に掻き毟りたくなる衝動に駆られ

赤紫色の人溜まりに見えるサングラスの気持ちで

くすんだ西日にすらそっぽ向かれたら

それはもう泥色の陽溜まり

でも窓に揺れてしゃがんだ太陽の欠けた頬を撫でる人たちの

優しげな笑顔にさり気なく支えられているんだね




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