イキルための行事/朧月
私はおそるおそる事を成し遂げた
安堵の息は空腹を教えた
それほどまでに熱中していたのだ
イキテイル証を創るために
ナニカがあらわれてくるのを
待ってばかりの毎日の中で
あなたがもたらしてくれた
かすかな糸口からは
綺麗な光がもれて
この瞳をひきつけた
アストカアサッテトカの方向を
人は向いてばかりいる
まるでそちらの方から天使が降りてくるかのように
実際にはわずらわしいことが
群れをなして押し寄せてくるというのに
待たずにはいられないのだ
今日咲いた花は今日のうちに散る
商店街では今日も命のやりとりが行われる
野菜や魚あるいは花たちの
聖なる命の切り売りが始まる
ニンゲンとはなにかと問うべきでない
まさしく熱中した後の空腹感のように
ナニゴトも無く満たすべき食欲のように
ソレゾレへ繋がるイキルコトの行事として
ナニモナカッタような顔でまずは命を買おう
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