ねえ、神さまへ。歓喜の歌を/笠原 ちひろ
ねえ、神さま。
あたしがどんなに幸せか、わからないだろうね!
ねえ、神さま。
あなたをふたたび信じることができて、
あたしはとっても嬉しいンだ。
おとーさんが死んだあの春から
あなたに値しないと思っていたあたしの上に
今ふたたびひかりが降り注ぐ
誤解は解けるときがくるからこそ美しいね
今は、指先まで無防備にのばしきっても怖くない
綺麗な花や美しい歌
夕食前のスーパー、子供の笑い声
そんなものにこころうごかすのが怖かったはずなのに
今は、つま先までたっぷりと感じきっても怖くない
ねえ、神さま
世界は美しいね
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