ハンバーガーでも喰いながら/虹村 凌
 
昔から芸術の展示品に触れない理由がわからなかった
作った本人ですら価値を見いだせるのかわからないそれは
興味の無い人間からすればただのゴミでしかないのに
偉そうに台座に座って手の届かない場所にいるそいつ等が
昔から本当に気に喰わなかった
出来ることなら齧ったり叩いたり
バットで粉々にしてやりたいと思っていた

茶渋がへばりついたマグカップにミルクを注いで
一気に飲み干して今日もそんな事は忘れてしまおうと思った

別に斜に構えてる訳じゃないと思うんだけれど
どうやらそう思われても仕方が無い人間らしい
よく言われるよ変だって
見下して笑ってお前等が安心出来るなら
思う存分
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